パリ協定が本格始動

2月27日、政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国すべての小・中・高校を臨時休校とするよう要請する考えを発表した。その一報は衝撃であった。次の日には、トイレットペーパーやティッシュなどが店頭からなくなり、地元の量販店には朝から長蛇の列ができていた。「先行きが見えない」という言葉を耳にする機会は多かったが、日常生活の中で、これほどこの言葉を実感することは、あまり経験のないことであった。


市場見通しでも、新型コロナウイルスの拡大により減益予想となるなど、先行きは深刻さを増しているが、世界が抱えている問題は他にもある。その一つが気候変動である。2019年、6月にヨーロッパ各地で最高気温が更新され、フランスでは観測史上初となる46度を記録。日本では猛烈な台風15号や19号による停電や断水で、長期間にわたり日常生活が寸断された。また9月に発生したオーストラリアでの大規模な森林火災は、2020年2月まで続き甚大な被害を及ぼした。このように気候変動による異常気象が目に見える形で世界の各地で発生している。


そのようななか、2020年からパリ協定の運用が本格的に開始された。パリ協定とは、2020年以降の地球温暖化対策に関する国際的な協定である。パリ協定の特徴は、参加国が削減目標を作成・提出・維持する義務と、削減目標を達成するための国内対策を行う義務を負っていることである。当面は2030年の削減目標を掲げているが、今のままの水準では、気温が約3度上がると予測されているため、参加国は2月末までに国連へ改めて削減目標を提出することとなっていた。
だが、日本は期限内の提出を先送りする方針を固め、当初の目標であった「2030年に2013年度比で26%減」が実現可能か検討を続けるとした。温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が多い石炭火力が基幹電力である日本にとって、目標の引き上げは難しいという。


しかし前述したような異常気象が世界各地で発生している今、気候変動はすべての人に関わる問題として改めて認識し、社会や企業は地球温暖化対策に関する取り組みを、早急に開始しなければならない。


では私に何ができるのか。食品ロスの削減、プラスチックの再利用、そして何より気候変動に関心を持つこと。未来に向けて「隗より始めよ」である。

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