2015年度の雇用動向に関する企業の意識調査

正社員採用、7年ぶりの高水準
~ 「女性」の活躍推進、従業員1,000人超の企業が突出 ~

はじめに

人手不足が深刻化するなか、2014年12月の有効求人倍率は1.15倍と、1992年3月以来22年9カ月ぶりの高水準となった。また、新規学卒者の就職内定率は2014年12月時点で80.3%(大卒)と4年連続で上昇し、リーマン・ショック前の2008年の水準に迫っている。しかし一方で、地域間や業界間、社員・非正社員間などの雇用動向には依然として格差がみられる。
このようななか、帝国データバンクは、2015年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2015年2月調査とともに行った。

  • 調査期間は2015年2月16日~28日、調査対象は全国2万3,365社で、有効回答企業数は1万593社(回答率45.3%)。なお、雇用に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で11回目

調査結果(要旨)

  1. 正社員の採用予定があると回答した企業は63.6%にのぼり、リーマン・ショック前の2008年度以来7年ぶりに6割を超えた。全国10地域すべてで採用予定が6割を超えるなど正社員の採用意欲は広がりをみせており、改善傾向が続いている
  2. 非正社員の採用予定があると回答した企業の割合は5年連続で改善し、2007年度以来8年ぶりに5割を上回った。また、「採用予定はない」と回答した企業の割合は6年連続で減少し、リーマン・ショック後に急激な人員整理に直面した非正社員の雇用状況は大企業を中心に大幅に改善している
  3. 雇用環境の改善時期は、すでに回復していると考える企業が1割を超えた。ただし、小規模企業ほど長期的に雇用の改善を見込めていない
  4. 2016年春卒業予定者の採用時期が後ろ倒しとなったが、自社の採用活動に「不利になる」と考える企業は約1割。その傾向は大企業でより高くなっているほか、中小企業においては内定辞退に対する懸念が強い
  5. 企業が注力している人材では「若者」が最多。従業員1,000人超の企業では3社に1社が女性の活躍推進に注力しており、突出して高い
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