2017年の景気見通しに対する企業の意識調査

2017年の懸念材料、「米国経済」が急増
~ トランプノミクス、日本経済に「マイナス影響」が4割 ~

はじめに

2016128日に発表された79月期の実質GDP成長率2次速報は前期(46月期)0.3%増、年率換算で1.3%増と、3四半期連続のプラス成長となった。また、住宅着工戸数の増加や有効求人倍率の上昇が続くなど改善傾向を示す指標がある一方、個人消費は依然として足踏み傾向がみられており、業種や地域で景況感の格差が表れている。

帝国データバンクは、2016年の景気動向および2017年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年11月調査とともに行った。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施し、今回で11回目。

  • 調査期間は2016年11月16日~30日、調査対象は全国2万3,850社で、有効回答企業数は1万110社(回答率42.4%)

調査結果(要旨)

  1. 2016年の景気動向、「回復」局面だったと判断する企業は5.7%となり、前回調査(201511月)から1.8ポイント減少。他方、「踊り場」局面とした企業は53.9%と2年連続で5割超、「悪化」局面は19.3%と前回とほぼ同水準、「分からない」は21.0%と調査開始以降で最高
  2. 2017年の景気見通し、「回復」を見込む企業は11.0%で、2016年見通し(201511月調査)とほぼ同水準。「悪化」や「踊り場」局面を見込む企業が減少した一方、「分からない」が調査開始以降で初めて3割を超え、先行き見通しに対する不透明感が一段と高まっている
  3. 2017年景気への懸念材料は「米国経済」(41.8%、前年比30.1ポイント増)が最多。2位は「原油・素材価格(上昇)」、3位は「人手不足」。前回トップだった「中国経済」(21.0%、同25.4ポイント減)、2位だった「消費税制」(12.6%、同25.1ポイント減)は大幅に減少
  4. 景気回復のために必要な政策、「個人消費拡大策」「所得の増加」「年金問題の解決(将来不安の解消)」「個人向け減税」「公共事業費の増額」が上位5項目にあげられる。「出産・子育て支援」や「介護問題の解決」を重要施策と捉える企業も2割前後
  5. トランプ次期米大統領の経済政策が日本経済に与える影響は、「プラスの影響」が9.9%、「マイナスの影響」が37.8%、「影響はない」が10.3%、「分からない」が42.0
このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。