2018年度の業績見通しに関する企業の意識調査

2018年度、企業の29.3%が「増収増益」見込み
~ 企業はアベノミクスを62.4点と評価、1年前より0.7ポイント低下 ~

はじめに

国内景気は、世界経済の回復を受けた輸出拡大や設備投資の増加などを背景に拡大基調で推移している。しかしながら、人手不足の深刻化や原材料価格の上昇など企業のコスト負担の増大などは、景気拡大を抑制する懸念材料ともなっているうえ、地域や業界、規模によって景気動向が業績に与える影響は異なる。

そこで、帝国データバンクは、2018年度の業績見通しに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2018年3月16日~31日、調査対象は全国2万3,137社で、有効回答企業数は1万94社(回答率43.6%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で10回目

調査結果(要旨)

  1. 2018年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は29.3%と2年連続で増加し、過去最高だった2014年度見通し(30.5%)に迫る水準まで上昇。一方、「減収減益」は1.0ポイント減少した。「増収増益」における大企業と中小企業の規模間格差は拡大しており、2018年度の企業業績は大企業を中心とした回復になる見通し
  2. 2018年度業績見通しの下振れ材料は「人手不足の深刻化」が39.3%でトップとなり、「個人消費の一段の低迷」「原油・素材価格の動向」が続いた。労働市場がひっ迫するなか、企業は人手不足にともなう労働力の確保・維持に危機感を強めている様子がうかがえる。一方、上振れ材料は「個人消費の回復」が33.0%で最高となり、7年連続で上振れ要因のトップ。以下、「公共事業の増加」「所得の増加」が続いた
  3. 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中62.4点。5年余りにわたるアベノミクスについて、企業は総じて60点以上の評価を与えているものの、中小企業の見方は依然として厳しく、1年前より評価を下げている
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