2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査

「増収増益」見込み、前年度より4.5ポイント減少
~ 企業のアベノミクスの評価は61.8点、2年連続で低下 ~

はじめに

国内景気は、中国や欧州経済の低迷、米中貿易摩擦などの海外の経済リスクや労働市場のひっ迫を背景とした人手不足の深刻化などが悪材料になるなど、全国的に低調な状態が続いている。さらに、201910月には消費税率10%への引き上げも予定されるなど不透明感が一層強まっている。

他方、省力化需要や公共投資の増加に加え、ラグビーワールドカップや東京五輪などの国内イベント、改元にともなう消費マインドの改善などが期待されているが、景況感は地域や業界、規模によって一様ではない。

そこで、帝国データバンクは、2019年度の業績見通しに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2019年3月15日~31日、調査対象は全国2万3,181社で、有効回答企業数は9,712社(回答率41.9%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で11回目

調査結果(要旨)

  1. 2019年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は24.8%となり、2018年度見通しから4.5ポイント減少した。一方、「減収減益」は同5.1ポイント増加しており、2019年度の業績はやや厳しい見方となっている
  2. 2019年度業績見通しの上振れ材料は「個人消費の回復」が27.0%で最高となり、8年連続で上振れ要因のトップ。以下、「消費税率10%への引き上げを控えた駆け込み需要」「公共事業の増加」が続いた。一方、下振れ材料は、前回調査同様「人手不足の深刻化」が39.0%でトップとなり、「中国経済の悪化」「個人消費の一段の低迷」が続いた。人手不足と併せて、海外経済の減速に関しても危惧している様子がうかがえた
  3. 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中61.8点。6年余りにわたるアベノミクスについて、企業は60点以上の評価を与えているものの、2年連続で評価を下げており、厳しい見方が強まっている
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