働き方改革に対する企業の意識調査(2019年12月)

働き方改革に取り組んでいる企業は60.4%
~ 今後の取り組み、「サテライトオフィスやテレワークの導入」「副業の許可」が上位 ~

はじめに

2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行され、一部の分野では2020年4月から中小企業が新たに適用対象となるなど、その範囲は順次拡大される予定となっている。企業では、多様で柔軟な働き方の実現や公正な待遇の確保のほか、人手不足の解消や生産性向上に対する取り組みなどが求められている。そのため、今後の企業活動において働き方改革の重要性は増していくと考えられる。
そこで、帝国データバンクは働き方改革に対する企業の取り組み状況や見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年12月調査とともに行った。

  • 調査期間は2019年12月16日~2020年1月6日、調査対象は全国2万3,652社で、有効回答企業数は1万292社(回答率43.5%)

調査結果(要旨)

  1. 働き方改革への取り組み状況では、「取り組んでいる」企業は60.4%となり、前回調査(2018年8月)から22.9ポイント増となった。また、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」(16.3%)を合わせると76.7%が取り組みに積極的であることがわかった。他方、「以前取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」は2.0%、「取り組む予定はない」は8.9%
  2. 取り組みの具体的な内容は、「休日取得の推進」が77.2%でトップとなり、「長時間労働の是正」が71.0%で続き、突出して高い。次いで、「人材育成」(49.6%)、「健康管理の充実」(45.9%)、「職場風土づくり・意識の改善、コミュニケーションの活性化」(44.7%)、「業務の合理化や効率化のためのIT・機器・システムの導入」(43.6%)が続く
  3. 今後の取り組みでは、「サテライトオフィスやテレワークの導入」(23.6%)が最も高く、「副業の許可」(22.5%)が続いた。いずれも現在における取り組みでは1割を下回っていたが、今後の導入を検討している様子がうかがえる
  4. 取り組みで最も重視する目的は、「従業員のモチベーション向上」が32.4%でトップ。次いで、「人材の定着」(20.2%)、「生産性向上」(13.5%)も上位となった。また、「従業員の心身の健康」(11.4%)も続くなど、従業員への影響を重要視している傾向がみられる
  5. 取り組んでいない理由では、「必要性を感じない」(34.2%)が最も高い。以下、「効果を期待できない」(25.4%)、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」(22.4%)も上位で続いている
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