「いま始める事業承継」第5回

事業承継を成功させるためのコツ(2)
~任せるところは任せる~


前回に引き続き、今回も「事業承継を成功させるためのコツ」をお伝えします。
少々、先の話になりますが、たとえば経営者のみなさんが後継者に会社を引継いだあと
最も気になることは、「後継者が会社をしっかり経営してくれるか」です。


しかし、実はこうした心配から社長を退いた後も、
「つい、あれこれと経営に口を挟む」「なにかと社内にいる」
そんな方が多くいらっしゃるようです。


先代の存在は、後継者にとって大きなプレッシャーになります。
「自分のビジョンや会社を変えていきたい思いがあっても、先代が気になり思うように
できない」といった例も聞きます。先代が、会社のため後継者のため、よかれと思って
やることが逆に悪影響を及ぼしてしまうわけです。


そうならないためには、承継準備の段階から「任せるところは任せる」ことが大事です。
後継者には、たとえば「部長→取締役→常務→副社長」と徐々に権限を持たせ、社内外
の信頼と事業の実績を積ませる。それにより、後継者は自ら経営を学び、成長していく。


そんな姿をやがて頼もしく思えてきて、少しずつ心配が減り、安心して引き継げるよう
になるのではないでしょうか。
後継者にはぜひ着実に段階的なステップを!


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次回は「事業承継を成功させるためのコツ(3)」をお届けします。

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