インフルエンザと出勤停止

今シーズンも、インフルエンザが猛威を振るっていたが、我が家も例外ではなかった。


はじめに小学生の息子がインフルエンザを発症。その数日後に、私自身もインフルエンザにかかり、会社を4日間も休むこととなった。息子の出席停止期間が終わりようやく登校できると思った矢先、学級閉鎖ならぬ学年閉鎖となったことから、さらに学校へ行けない日が続いた。さらにその3週間後、保育園に通う娘もインフルエンザを発症。予防接種は3人ともしたが、皆インフルエンザのA型に感染した。


厚生労働省は、1月21日から27日の1週間に報告されたインフルエンザの患者数が、1医療機関当たり57.09人であったと発表。昨シーズンのピークであった54.33人を上回り、1999年に調査を開始して以来の最多人数となった。今シーズンはA型の2つのタイプ(H1N1型とA香港型)が同時に流行し、患者数を押し上げている。つまりひと冬にA型に2回かかる可能性があるということになる。一方で、昨シーズンはA型とB型の2つが同時に流行り、国立感染症研究所によると2017年9月から2018年4月までの累積推計受診患者数は2,249万人で、2010年~2011年のシーズン以降で2,000万人を超えたのは初めてであった。


感染症にともなう学校などの出席停止期間が、学校保健安全法の施行規則改正によって変更されている。インフルエンザの出席停止期間は、「解熱した後二日を経過するまで」から、平成24年度より「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで」となった。発症(発熱)した日"から"5日間ということは、仮にある朝起きて発熱が確認できれば、その日を含めて最低でも6日間は登校できないことになる。明確な基準はないが、会社員もこれに準じた出勤停止が求められるようで、私の場合は医師より小学生と同様の期間は「出社してはいけない」と言い渡された。就業規則で出勤停止期間を定める会社も多く、知人の会社では、インフルエンザにかった社員が再び出勤する際には治癒証明書の提出が求められるという。


私を含む働く母親にとって、この6日間がとてつもなく長く感じられるのではないだろうか。日曜日や月曜日に発症した場合は、その週の平日5日間ずっと小学校や保育園へ行くことができないからだ。そして今年の冬の我が家のように、自分自身や子供たちが順々にずれてインフルエンザにかかれば、親が出社できない日が増えていく。


昨シーズンに続き、今シーズンも猛威を振るうインフルエンザ。職場で集団感染が起きれば、企業活動の停滞を招くであろう。また大流行および患者数増加から、外出できない又は外出を控える人たちが増えることで、消費にも悪影響を及ぼしかねない。1月28日から2月3日までの1週間の患者数は1医療機関当たり43.24人と前の週と比べ減り、その後も減少基調が続いている。今シーズンの流行のピークは過ぎたようだが、多くの企業で年度末を迎える3月においても引き続きインフルエンザへの注意が必要となろう。

このコンテンツの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。著作権法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。