建設業の景気動向(1)

建設業は6月以降持ち直しの動きも業態によって温度差
~ 人手不足感は再び高まる兆候、企業間の受注競争も激化 ~

【要約】

  1. 『建設』の景気DIは2020年1月まで、判断の分かれ目となる50を上回る水準で推移していた。しかし、2月(47.8)には景気DIが2017年7月以来2年7カ月ぶりに50を下回り、景況感が「悪い」(34.1%)とする企業が「良い」(26.2%)とする企業より多くなった。さらに、4月(33.9)は2012年1月(33.6)以来、8年3カ月ぶりの低水準を記録。6月以降は4カ月連続でプラスと持ち直しの動きとなり9月には40台まで回復しているものの、業態別にみるとその回復の速度には温度差がみられる。
  2. 『建設』の雇用過不足DIは、2020年に入り正社員・非正社員ともに大きく落ち込んだものの、6月以降は4カ月連続で上昇。建設業の人手不足感が再び高まる兆候がみられる。また、受注単価などを含む『建設』の販売単価DIは2020年に大幅に下落し、判断の目安となる50を大きく割り込んだ状態が継続している。企業からのコメントでは、受注競争が激化しているとの声も散見される。

『建設』の業種細分類別景気DI(2020年1月から2020年9月)

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