2021年は波乱の幕開けも、新たな発展につなげる一年に!

2021年は波乱の幕開けとなった。2020年12月31日には、新型コロナウイルスの新規感染者数が全国で4,521人にのぼり、東京都の1,337人など6都県で過去最多を更新しており、感染爆発が懸念される状況となった。


こうしたことを受けて、1月2日に東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の各知事が政府に緊急事態宣言を要請、4日には菅首相が同宣言の検討を発表するなど、新型コロナウイルスにともなう事態は風雲急を告げている。


2020年の東京株式市場では、大規模な金融緩和や各国政府の経済対策を下支えとしつつ、ワクチンの普及による景気回復への期待も加わり、年末には日経平均株価が31年ぶりの水準まで上昇していた。


そして2021年の大発会が開かれた4日の株式相場は、昨年末の流れを受け上昇して始まった。しかし、首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言の発出が検討されるなど、経済活動に影響が出ることへの警戒感から株価は一時400円あまり値下がりした。その後、ワクチン普及への期待などから下げ幅は縮小したが、厳しい滑り出しとなった。


今年の干支は丑であるが、相場格言では「丑はつまずき」とされる。つまり、株式相場は一段落するということになる。ただし、過去の丑年の株価は上昇と下降が半々であり、直近の2009年(リーマン・ショックの翌年)は16.6%上昇していた。


「丑」という漢字には、もともと「からむ」という意味があり、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態を表すという(『漢書』律暦志)。そしてこれを覚えやすくするために「牛」の意味が与えられた。牛は古くから食牛や乳牛、耕牛として酪農や農業などで人びとを助けてくれる存在として重要な生き物とされており、大変な農業を地道に最後まで手伝ってくれる様子から、丑年は「我慢や耐える」「発展する前触れ」「これから芽が出る」を表す年になるとも言われる。


2021年は新型コロナショックの影響に対して我慢し耐える年となるかもしれないが、地道に突き進むことで、将来の新たな発展につなげる年にしたいところである。



2021年は、新型コロナウイルスの感染状況が国内景気を大きく左右する一年になると見込まれます。


こうした環境のなかで、TDB景気動向調査はより一層迅速で的確な発表を行ってまいります。また、TDB景気動向オンラインやSNSなどを通じた情報発信の強化に加え、3月に公表するTDB景気白書2021年版では、国内景気の分析・予測や最新の経済トピック、新型コロナ特集など、これまで以上に内容を充実させていきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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