企業の声から探る半導体不足の影響(1)

半導体を理由とする企業の見通し、現時点では前向き
~自動車関連の企業で半導体不足に関するコメントが多い~

【要約】

  1. TDB景気動向調査(2021年3月調査)において、現在の景況感の理由として半導体をあげている企業を業種別に分類したところ、<半導体>に関するコメント率は自動車部品などが含まれる「輸送用機械・器具製造」(21.1%)や電子部品などが含まれる「電気機械製造」(14.3%)で高い傾向がみられた。特に、「輸送用機械・器具製造」は<半導体不足>に関するコメント率が高くなっていた。

  2. 半導体に関するコメントがある企業で景気DIを算出したところ、2021年3月時点では<半導体>についてコメントした企業の景気DIは54.5だった。そのうち<半導体製造装置>は63.9、<半導体不足>は42.3となり、それぞれ全体(38.0)を上回る水準となった。また、先行き見通しDIも<半導体>、<半導体製造装置>、<半導体不足>ともに、先に行くにつれて上昇傾向となっており、各時点で全体の水準を上回っていた。ただし、3月中旬に発生した半導体工場の火災の影響など、先行きへの懸念材料については、今後より注意する必要がある。

表:半導体に関するコメントがあった企業の景気DI(2021年3月)

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