建設業の景気動向(3)

木材などの材料不足、仕入単価の上昇が懸念材料
~ 2021年4月以降、建設業の多くの業種で悪化 ~

【要約】

  1. 『建設』の景気DIは、2020年6月から各業種で持ち直しの動きがみられていたものの、2020年12月以降はその勢いが鈍化。2021年4月・5月は3回目となる緊急事態宣言の発出や、木材や鋼材といった建材不足・価格高騰の影響を受けて多くの業種で景況感が下押しされた。特に、これまで『建設』の回復をけん引していた「土木工事」や「電気通信工事」などの業種も2カ月連続で悪化した。

  2. 2021年は、木材などの建築用資材の不足や、鉄鋼・生コンクリートなどの資材価格高騰などの影響により、『建設』の仕入単価DIの上昇傾向が強まった。2021年5月時点で『建設』の仕入単価DIは61.3となり、2019年12月(60.1)以来1年5カ月ぶりに60を上回った。一方、工事の受注単価などを表している販売単価DIは低下傾向が続いており、今後建設業の収益環境の圧迫が懸念される。


『建設』の業種細分類別景気DI(2020年1月から2021年5月)

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