飲食店の人手不足感、足元でコロナ前の水準まで急上昇

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緊急事態宣言が明け、早くも2カ月が経過。そうしたなか、2021年11月の景気DIは3カ月連続で改善し43.1となりました。宣言中、営業時間の制限や外出自粛による影響で景況感が大きく悪化していた「飲食店」(31.4、前月比3.6ポイント増)や「旅館・ホテル」(30.2、同7.6ポイント増)などの個人消費関連の業種でも、景況感は持ち直しつつあります。

しかし、景況感が回復しつつある一方で、飲食店の人手不足感は再び高まってきています。「飲食店」の人手不足割合は2021年9月以降急上昇しており、特に2021年11月時点ではアルバイトやパートなどの非正社員の不足割合が75.4%と、新型コロナウイルスが流行する前の2019年12月(84.0%)の水準まで近づいてきています。

「飲食店」の人手不足感
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緊急事態宣言などの解除で人流抑制策が緩和され人出が増加するなか、今後も飲食店などで人手不足感が再び高まっていくとみられます。飲食店へ取材をするなかで、「デジタル化も重要ではあるが、外食産業としては今後の労働力減少を見据えたロボット化も併せて進めていく必要がある」(西洋料理店)など、配膳や調理でロボット化を進める動きが活発になってきているとの声もきかれます。また、仕込み食材の外注化やAIを活用した自動発注を導入する企業も増えてきているようです。人手不足の解消のためには従業員をいかに確保・採用するかも重要ですが、省人化やデジタル化など「ヒト」に頼らない新しい取り組みも今後必要になってくるでしょう。

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