新型コロナで浮き彫りとなる、医療従事者の不足問題

オミクロン株が猛威を振るうなか、2022年1月27日より34都道府県で「まん延防止等重点措置」が適用となっています。1月28日には、初めて全国で8万人の新規感染者数が確認されました。


新規感染者数の増加にともない濃厚接触者も急増、濃厚接触者の待機期間の短縮も行っていますが、各地で医療従事者や保育士をはじめとするエッセンシャルワーカーが出勤できない事態も起きています。2022013101.jpg


とりわけ、医療現場の人材確保は、喫緊の課題となっており、関係企業などへ取材をしていくと「新型コロナ病床に関係する医師や看護師の確保が困難になっている」と切実な声が聞こえてきました。さらに今後は、大規模なワクチンの集団接種も各地で促進され、医師や看護師、医療事務など適切な人材の配置や確保は、課題となりそうです。


そもそも、日本は諸外国と比較すると医師が少ないことが分かっています。先進7カ国の人口1,000人あたりの医師数を比較すると、上からドイツ4.3人、イタリア4.0人、フランス3.2人と続いています。グラフの通り日本は2.4人であり、先進7カ国では最も低い水準にあります。

【図表1 人口1,000人当たりの医師数】

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新型コロナウイルスの感染拡大により、通常の診療に加えて、発熱外来の新設やワクチン接種、PCR検査などの対応といったこれまでになかった診療が増加しています。
医師を中心として医療従事者の人手不足は、医療を提供するうえで解決すべき課題です。新型コロナウイルスの拡大でさらに浮き彫りとなった医療従事者の不足に対して、早急に対応する必要があると言えます。

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