ChatGPTの衝撃、AIの進化は新たなる転換期に


2022年11月30日、米国のOpenAI社が最新のAI(人工知能)チャットボット「ChatGPT」を公開しました。ChatGPTは「オリジナルのテキストを生成することができる人工知能ツール」で、対話型のサービスで質問に答えてもらうことのほか、クリエイティブな詩や歌、エッセイ、短編小説、プログラムのソースコードなどを書いてもらうことができるものです。ChatGPTは公開から1週間で100万人のユーザーを獲得し、2023年1月には1億人のアクティブユーザー数を記録したと言われています。


TikTokは9カ月、Instagramは2年半をかけてアクティブユーザー数1億人に到達しました。これらよりも前に登場したGoogle翻訳は6年半、Facebookは4年半を要していますので、ChatGPTの利用者の急増は驚異的です。


それではChatGPTとは何か。ここはやはりChatGPTに直接聞いてみましょう。


【質問:ChatGPTとは何でしょうか。】


ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模な自然言語処理モデル「Generative Pre-trained Transformer」(GPT)を利用したチャットボットのことを指します。GPTは、多数の自然言語テキストを学習し、そのテキストに基づいて自然言語生成タスクを行うことができるニューラルネットワークモデルです。OpenAIは、GPTをさらに開発し、チャットボットとして利用可能にすることで、より自然な会話をすることができるAIアシスタントを目指しました。


ChatGPTは、一般的にはテキストベースのインターフェースを通じて、人間との対話を行います。例えば、ユーザーがChatGPTに質問や会話を投げかけると、ChatGPTは学習済みの知識と文脈を元に、適切な返答を生成します。ChatGPTは、様々な分野において活用され、情報提供やカスタマーサポート、教育、娯楽など、多岐に渡る用途があります。


ChatGPTは自分自身を機械学習モデルであると主張しています。現在のChatGPTは、内容の正確性よりも、人種差別的な回答や誹謗中傷をしないように学習されているそうです。もちろん、今後は事実を述べることに特化したトレーニングを行うなど、提供するサービス用途に応じた学習も可能になると言います。


そこで、次のような質問をしてみました。


フィクションとして描く文章も面白い


【質問:窪田剛士が主人公の小説を書いてください。冒頭部分を200文字で。】


窪田剛士は、若手エコノミストとして注目を集めていた。彼は、数々の経済理論や経済政策に対する独自の見解を持ち、それを的確に分かりやすく説明することができた。そんな彼が、ある日突然、突然のプロポーズをした。彼女は驚き、思わず「えっ、私と結婚するの?」と尋ねたが、窪田は「そうだ。君となら、幸せになれる気がするんだ」と笑顔で答えた。


その後、窪田は研究者としてのキャリアを捨て、投資家として活躍することを決意する。彼は、世界中を旅しながら、新しいビジネスアイデアを探し、資金を調達していく。そして、ついに彼は、あるベンチャー企業に投資することを決めた。それは、環境に配慮したエネルギー技術を開発する会社だった。彼は、自らの力で、社会を変えることができるのか、新しい挑戦に向かっていくのだった。


一部で表記のゆれがみられ、少し文字数がオーバーしていますが、私の名前を冠した主人公なこともあり、なかなか興味を引く冒頭です。さらに、【質問:その続きを200文字で書いてください。】と聞くと、上記の文章を踏まえた続きが返ってきました。これを何度か繰り返し、【質問:その小説のエピローグを200文字で書いてください。】では、主人公の人生の終焉とその足跡を描くという形で結ばれています。これはフィクションですが、個人的には娯楽作品として十分に楽しめました。


「人間だからこそできることは何か」真剣に考える時代に突入


最後に、日本経済の成長に必要なことは何か、ChatGPTで聞いてみました。


【質問:日本経済が成長するために最も大切なことは何でしょうか。】


日本経済が成長するために最も重要なことは、多岐にわたる要因がありますが、中でも以下のことが挙げられます。


1.技術革新とイノベーションの促進:新しい技術やサービスの開発・導入、生産性の向上などを通じて、企業や産業全体の競争力を高めることが重要です。

2.労働市場の改革:労働市場の柔軟性を高め、働き方の多様化を促進することで、企業や従業員の能力を引き出すことができます。

3.女性・外国人・高齢者等多様な人材の活用:人口減少による労働力不足を補うため、多様な人材の活用が求められます。そのためには、職場環境の改善や雇用条件の見直しなどが必要です。

4.税制・社会保障制度の改革:持続可能な社会保障制度の確立や税制の改革により、個人や企業がより活発に活動できる経済環境の整備が必要です。

5.自由貿易の推進:グローバルな市場で競争力を維持するため、自由貿易を促進することが必要です。


これらの要因をバランスよく取り入れ、継続的に取り組むことが、日本経済の成長を促す上で重要な役割を果たすでしょう。


少し驚きましたが、これはある意味で模範解答です。とはいえ、一抹の不安も覚えました。無料トライアルのサービスでChatGPTが学習しているのは2021年までの情報です。そのため、現在でも通用するこの答えは、2021年時点ですでに解決すべき重要な要因として認識されていたことになります。ChatGPTの学習期間が終了してから1年以上が経つ今も、日本の課題はそのまま残されたままなのかもしれません。


AIは急速に進化しています。1950年代後半に始まった第1次AIブームから半世紀あまり。ChatGPTの公開は、AIが新たな段階に入ったことを多くの人に知らしめることになりました。現在のChatGPTはまだまだ欠点を多く抱えていますが、それはこれから修正していけば良いことです。米グーグルのインターネット検索事業に置き換わる可能性も秘めています。人のコミュニケーションや創造力という領域においても「人間だからこそできることは何か」、真剣に考えなければならない時代に入ったと言えるのではないでしょうか。









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