SDGs関連調査から企業の「脱炭素化」への取り組み状況を読む

CO2など温室効果ガスの排出量が実質ゼロとなる「脱炭素社会」の実現に向けた動きが加速しています。なかでも、日本国内のCO2排出量のうち、最も高い割合を占めるのは「産業部門」の約35%であり、脱炭素社会の実現には各企業による取り組みが欠かせないものです。


他方、気候変動への対策など脱炭素化に関連する目標が盛り込まれている世界共通の目標である「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」に対する意識も世界中で高まっています。このSDGsの登場は、脱炭素化の動きをさらに加速させているとみられます。


帝国データバンクが2020年より毎年実施している「SDGsに関する企業の意識調査」では、SDGsの17目標のなかで現在力を入れている項目を尋ねています(複数回答)。


脱炭素化に直接関連がある再生可能エネルギーの利用などを含む「目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」およびCO2排出量の抑制などを含む「目標13:気候変動に具体的な対策を」のいずれかに力を入れている企業割合は調査開始の2020年の23.1%から上昇傾向が続いています。最新調査である2023年には35.1%と、3年間で12.0ポイント上昇し、企業の3社に1社が力を入れている結果となっています。

SDGsの「脱炭素化」関連目標に力を入れている企業の割合

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また、同調査ではSDGsの17目標のうち、今後最も取り組みたい項目についても尋ねています(単一回答)。調査開始から4年連続で、働き方改革や労働者の能力向上などを含む「目標8 :働きがいも経済成長も」がトップとなるなか、脱炭素化に関連する既述の2つの項目は毎年トップ4にランクインしています。また、2つの目標の割合の合計は2020年の10.5%から緩やかに上昇しており、2023年は15.3%の企業が最も取り組みたい目標としてあげる結果となっています。


このように脱炭素化への取り組みに積極的な企業は増えつつあります。そして、政府による2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、「カーボンニュートラル宣言」から3年が経とうとしているいま、企業における脱炭素化の急速な進展が必要だと言われています。


こうしたなか、脱炭素化関連目標を含むSDGsへの取り組みについて、"どのように対応すれば良いかわからない"のほか、"人材面・費用面での余裕がない"といった声が依然として多く聞かれました。

しかし、脱炭素化へ貢献するには「節電」や「ペーパーレス化」などといった、多額の費用や新たな人材を投入せずに推進できるうえに、費用の削減にもつながる取り組みも少なくありません。


今後は、官民が一体となって、実際の脱炭素化への取り組み事例などの情報発信の強化に加え、費用が発生する取り組みに対して補助金制度など公的支援によるさらなるサポートがますます求められます。


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