2023年の記録的な猛暑で家計は月平均約3,700円の支出増加

2023年の夏は記録的な猛暑でした。
気象庁は、今年の夏(6~8月)の気温について、日本の平均気温が統計を開始した1898年以降、過去126年で最も高かったと発表しました[1]。全国915カ所の観測点のうち106地点で最高気温を更新しています。


また、平年(1991年~2010年の平均)と比べると、平均気温は+1.76℃も高く、これまでで最も高かった2010年の+1.08℃を大きく上回りました。


9月3日の最高気温では、東京で真夏日が連続60日、大阪では9月の過去最高を更新しています。今年の暑さは8月に多くの専門家が「異常気象」とする見解を示すなど、まさに過去に例のない事態です。


猛暑は経済活動にも大きな影響を与えてきます。帝国データバンクの試算[2]によると、平均最高気温が平年通りだった場合と比較すると、今年の東京の家計支出は約466億2,700万円(7月235億6,700万円と8月230億600万円の合計)増加した可能性があります。世帯当たりでみると、7月に3,554円、8月に3,942円の支出増加となっています。


具体的には、夏負けなどの影響で主食となる穀類や魚介類への支出は減りますが、調理で火を使わなくても良い弁当や加工食品への支出が大きく増加してきます。また、猛暑対策や熱中症予防、医療サービス、宿泊料、理美容サービス・用品なども増加する見込みです。


上記の試算は、食料品価格や電気代など生活必需品を含む物価の上昇、さらに新型コロナウイルス感染症の5類移行にともなう人流の増加などの影響を除いています。したがって、純粋な猛暑による家計支出の増加を表していると言えるでしょう。


もちろん、猛暑による影響は消費活動の変化だけではありません。労働者の生産性や人びとの行動変化にもつながってきます(過去の当コラム[3]参照)。そして、必ずしも所得が急に増加していないなかでの支出増加は、秋以降の消費活動に影響してくる可能性もあるでしょう。



[1] 気象庁「夏(6~8月)の天候」(2023年9月1日発表)
[2] 帝国データバンク「東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査(2023年)」(2023年8月25日発表)
[3] 帝国データバンク「猛暑と経済活動」(主観客観、2015年8月5日公開)










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