現役世代と高齢世代が共に働くハイブリッド社会が到来中

ハッピーマンデー制度の実施によって、「敬老の日」は毎年9月の第3月曜日に制定されました。そのため、2023年の「敬老の日」は、9月18日でした。


その前日発表された総務省統計局のレポート[1] によると、総人口に占める65歳以上の高齢者(以下「高齢者」)は、前年より約1万人減少の3,623万人(2023年9月15日現在の推計)となっており、1950年以降で初めて減少したとのことです。しかしながら、総人口に占める高齢者人口の割合である高齢化率は29.1%と過去最高を記録しています。


さらに後期高齢者にあたる75歳以上の人口は、はじめて2,000万人を超えました。総人口に占める割合は16.1%と、日本社会は約6人に1人は後期高齢者がいる社会となっています。一つの要因として「団塊の世代」が75歳に突入していることがあげられるでしょう。

高齢者人口と高齢化率の推移
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また、同レポートの高齢者の就労状況をみると、2021年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、「70歳までの就業機会確保」が新たなに努力義務となったなかで、2022年の高齢者の就業者数は912万人でした。
15歳以上の就業者数の総数に占める割合をみると13.6%となっています。実におよそ7人に1人は65歳以上が働いている計算です。


帝国データバンクがとりまとめた結果[2]でも4社に1社が「70歳までの継続雇用制度の導入」を検討しているほか、約5%の企業が「定年制の廃止」を掲げていました。これまで以上に高齢者が働きやすい環境整備が整ってきています。


別の調査[3] では、人手が不足していない要因として、企業の3割超が「定年延長やシニアの再雇用」をあげていました。人手不足が叫ばれる昨今、長年の経験や技術、知識を持つ高齢者は重要な労働力の一翼を担っています。今後も現役世代と高齢者が一緒に働く環境は、当たり前になってくるでしょう。


敬老の日のニュースを読んでみると、90歳のファーストフード店のスタッフの活躍などが紹介されています。多様な働き方を象徴するように年齢のボーダレス化も急速に進んでいるのではないでしょうか。


今まさに、現役世代と高齢世代が共に働くハイブリッド社会が到来しています。



[1]総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(2023年9月17日発表)
[2]帝国データバンク「2021年度の雇用動向に関する企業の意識調査」(2021年3月15日発表)
[3]帝国データバンク「企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート」(2023年5月17日発表)










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