2002年11月の景気動向調査
景気DIは26.7、前月比0.1ポイント減と4カ月連続の悪化
2002年11月の景気動向指数(景気DI、判断の分かれ目は50、→8ページ)は、前月比0.1ポイント悪化の26.7となった。前月比ではほぼ横ばいだったものの、集計開始の2002年5月以降の最低水準を2カ月連続して更新しており、足元の景況感は悲観的な見方が広がっている。
その傾向は景気の先行き見通しにも表れている。政府が景気の底入れ宣言を行った2002年5月の時点では、6カ月後、1年後の先行き見通しDIが判断の分かれ目となる50を上回っていた。しかし、その後は株価の下落や不良債権問題の再燃による先行きへの不安感の高まりなどから、6月以降DIは一貫して下がり続けており、月を経るごとに企業の景気回復期待が萎んでいることが如実に表れている。
10月以降、総合デフレ対策や不良債権処理策、税制改正など、相次いで景気刺激策が発表された。しかし、米国をはじめとした海外景気の先行き不透明感が増すなかで、歯止めがかからない株安や金融不安によって企業マインドは一層悪化している。今後も景況感は悪化傾向をたどることが予想される。
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