2003年2月の景気動向調査
景気DIは27.2、前月比1.1ポイント増と7カ月ぶりに改善
2003年2月の景気動向指数(景気DI)は、前月比1.1ポイント改善の27.2となった。2002年7月以来7カ月ぶりの改善で、2002年10月の26.8を上回る水準まで回復した。
また、3カ月後、6カ月後、1年後の先行き見通しDIも、集計開始以来初めて前月比で増加した1月に続き、いずれも2カ月連続の改善となった。
この背景には、中国向け輸出の好調などを背景に製造業を中心に売り上げDIが改善傾向にあることや、金融機関の融資姿勢DIが4カ月連続で改善するなど、企業の資金繰りに対する懸念が和らいでいることが挙げられる。また、3月期末に向け来期の景気回復期待が高まっていることもあるようだ。
しかし、国内経済にデフレ脱却の糸口が見出せない状況下、対イラク開戦がますます現実味を増したことで、今回のアンケート調査終了後の3月中旬には日経平均株価がバブル崩壊後の最安値を更新する8,000円割れ水準にまで下落した。これによって、金融不安の再燃が懸念されるだけでなく、企業の設備投資マインドや国民の消費マインドにも悪影響を及ぼすことは避けられない。
足元および先行きの景況感が改善したとはいえ依然として底ばいであることには変わりない。米国によるイラク攻撃がついに開始されたが、世界情勢が早い段階で安定化し、デフレ克服への道筋が見えるまでは、国内の景況感は厳しい状況が続きそうだ。
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