2003年4月の景気動向調査
景気DIは28.2、3カ月連続して改善
2003年4月の景気動向指数(景気DI:0~100、50が判断の分かれ目)は、前月比0.3ポイント増の28.2となり、2003年2月以降3カ月連続して改善した。また、3カ月後、6カ月後、1年後の先行き見通しDIについても、ともに2カ月ぶりに上昇に転じた。
この背景には、年初から企業業績に回復が見られる企業が徐々に多くなってきていることが挙げられる。なかでも、携帯電話やデジカメなどの関連企業で業績が好調なところが目立っており、これらの企業が全体の景況感をやや押し上げた。
また、金融や建設などの不況業種においても、一連の不良債権処理策による金融不安の後退を背景に、一時的に景況感の下げ止まりが見られた。新年度入りしたことによる今期への業績回復期待や、イラク戦争終結によるマインドの改善も一因と見られる。
しかし、判断の分かれ目となる50を大きく下回る水準が続く現状では、到底、本格回復とは言えない。一部の好調な業種に支えられて改善傾向をたどっているとはいえ、米経済にデフレ懸念が台頭するなど本格回復への明確な道筋が見えず、SARS(重症急性呼吸器症候群)被害の拡大によるアジア圏経済の停滞懸念も高まっているなかでは、景況感の一層の改善は容易ではなく、しばらく一進一退が続きそうだ。
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