2006年9月の景気動向調査
景気DIは46.5、前月比0.2ポイント減にとどまる
2006年9月の景気動向指数(景気DI:0~100、50ポイントが判断の分かれ目)は46.5となり、前月比0.2ポイント減と3カ月ぶりに悪化したものの、悪化幅は小幅にとどまった。
前月までの概況
- 原油価格と金利の上昇懸念の高まりによる企業・家計心理の悪化に伴って2006年3月(9)をピークに下落基調へ転じる
- 前月(8月)は原油価格が下落し、年内の追加利上げ観測も後退するなど足元経済へのリスクがやや後退。夏のシーズン本格化による『小売』や『サービス』の大幅改善もあって、悪化傾向に歯止めがかかる形で5カ月ぶりに改善
9月の概況
プラス要因
- 大都市圏の地価が16年ぶりに上昇に転じるなど不動産業界の景況感改善が持続
- 原油先物相場(WTI、期近)が一時1バレル=60ドルを割る水準まで下落するなど、原油高リスクの後退継続
マイナス要因
- 国内の機械受注統計や米住宅販売動向など日米の景気減速を示唆する指標が発表され、堅調を持続していた企業業績への影響懸念が台頭
- 夏のシーズン本格化で景況感が大幅に改善した前月の反動で、サービス業界や飲食関連業界など一部業界の景況感が悪化
今後の見通し
- 「3カ月後」、「6カ月後」、「1年後」の先行き見通しDIがいずれも前月より改善。先行き不透明感の増幅に歯止めがかかったと言えるが、DI水準は先にいくにつれて低くなる状況に変化はなく、不透明感の払拭までには至らず
- 地価上昇などにより国内経済のデフレ克服は最終局面とされているが、素材価格上昇分の価格転嫁が進まない企業はいまだ厳しい環境が続く
→ 「持続的な物価下落から脱している」と回答した企業は約3社に1社にとどまる(特別企画参照)
- 米経済についても、ここへきて軟着陸への期待が高まっているとはいえ楽観できない
- 安倍新政権の発足で改革加速や景気刺激策への期待が景況感を下支え
→ 景気DIの大幅改善を見込める状況にはなく、今後まだしばらくは一進一退が続くものと思われる
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