金融円滑化法に対する企業の意識調査

リスケを受けた企業の経営改善計画、33.9%が「計画を下回る」
~ 金融機関の返済猶予への姿勢、35.0%が最近「厳しくなってきている」と認識 ~

リーマン・ショック後の2009年12月から2年以上にわたり施行され、2012年3月に期限を迎える「中小企業金融円滑化法」(金融円滑化法)は、2012年の通常国会に同法改正案が提出され、再び1年間延長される公算が高くなった。
そこで、金融円滑化法に基づく企業向け融資の条件変更等に対する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2011年12月16日~2012年1月5日。調査対象は全国2万3,311社で、有効回答企業数は1万578社(回答率45.4%)。なお、金融円滑化法に対する調査は2009年10月、12月、2010年2月に続いて4回目。

調査結果のポイント

  • 金融円滑化法利用企業のうち、半数超が複数回利用
    金融円滑化法の利用企業のうち、50.7%が2回以上利用している。
  • 条件見直し内容、3社に2社が返済繰り延べを実施、返済額減額も35.0%
    金融円滑化法利用企業の67.2%が6カ月未満から5年以上までの返済繰り延べを実施。毎回の返済額の減額も35.0%に達する。企業の経営環境が大きく変わるなかで、運用面で柔軟に対応している様子がうかがえる。
  • 経営改善計画、リスケを受けた企業の33.9%が「計画を下回る」
    リスケを受けた企業の41.7%が当初の改善計画をほぼ計画どおり進めているものの、計画を下回っている企業も33.9%にのぼる。
  • 金融機関の返済猶予への姿勢、35.0%が最近「厳しくなってきている」
    半数近くが金融機関の姿勢は変わっていないとみている一方で、3社に1社が厳しくなっていると認識。企業と金融機関の双方での認識のずれが生じてくると懸念材料になる可能性がある。
  • 需要の本格回復時期、企業の33.8%が長期的にも本格回復を見込まず
    全社の3社に1社が需要回復を見込まず悲観的に考えている。
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