2012年度の雇用動向に関する企業の意識調査

正社員採用、「予定なし」が4年ぶりに4割を下回る
~ 被災者の積極採用、企業の3%にとどまる一方、意欲あるが方法の分からない企業も ~

東日本大震災からの復旧・復興が行われるかたわらで国内需要の回復は遅れ、雇用・所得環境の厳しさが続くなか、2012年1月の有効求人倍率は0.73倍と51カ月連続で1倍を下回っている。また、新規学卒者の就職内定率が2011年12月時点で71.9%(大卒)と前年よりは上向いたものの、依然として厳しい状況が続いている。一方で、地域間や業界間、社員・非正社員間などの雇用動向には格差がみられる。
そこで帝国データバンクでは、2012年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。調査期間は2012年3月19日~31日。調査対象は全国2万3,808社で、有効回答企業数は1万711社(回答率45.0%)。なお、雇用動向に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し今回で8回目。

調査結果のポイント

  • 2012年度の正社員「採用予定なし」が4年ぶりに4割を下回る
    正社員の「採用予定なし」は36.9%で4年ぶりに4割を下回る。採用増加見込みは21.9%。優秀な人材確保のチャンスと捉える中小企業も多い。
  • 非正社員採用、「採用予定なし」が4年ぶりに5割を下回る
    非正社員の採用増加見込みは9.2%。「採用予定はない」は47.9%となり4年ぶりに5割を下回るも、依然として厳しい状況が続く。
  • 正社員比率、「上昇する」企業は14.9%、要因は「業容拡大」が最多
    正社員比率は企業の14.9%が上昇を見込む。要因は「業容拡大」が55.7%で最多。非正社員から正社員への切り換えも進む。
  • 企業の23.8%が東日本大震災から採用状況に影響を受ける
    東日本大震災が23.8%の企業の採用状況に影響。原発事故は20.6%、復興需要は17.7%。
  • 被災者の積極採用、企業の3%にとどまる
  • 雇用環境の改善時期、2013年度以降を見込む企業が34.8%
    2013年度以降を見込む企業が34.8%となり、早期の改善には厳しい見方。
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