事業承継に関する企業の意識調査

企業の8割超が事業承継を経営問題と認識
~ 一方で、6割超の企業が事業承継への取り組みなし ~

はじめに

中小企業は、企業数で全体の9割以上に達し、また雇用では7割を占めているなか、永続的に企業を存続・発展させ、技術・暖簾(のれん)を後の世代に伝えていくことは、中小企業の厚みを増し、日本経済が継続的に発展を続けていくために必要不可欠である。一方で、経営者の高齢化や後継者難となる場合も多く、事業承継は重要な問題と認識され、政府の日本再興戦略(成長戦略)や骨太方針においても、円滑な事業承継について取り組む方針が打ち出されている。
このような背景を踏まえ、帝国データバンクは、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2013年6月調査とともに行った。

  • 調査期間は2013年6月18日~6月30日、調査対象は全国2万2,750社で、有効回答企業数は1万157社(回答率44.6%)。分析対象は回答者が代表権を持つ役職者である企業4,196社とした

調査結果(要旨)

  1. 事業承継を「最優先の経営問題」と捉えている企業は23.3%。「経営問題のひとつ」(63.0%)と合わせると、企業の86.3%が事業承継を経営問題として捉えている
  2. しかし、事業承継を進めるための計画については、「計画はない」が30.0%、「計画はあるが、まだ進めていない」が32.4%となり、6割超の企業が事業承継への取り組みを行っていない。「進めている」は27.6%にとどまった
  3. 「事業承継計画を進めていない/計画がない」理由として、「まだ事業を譲る予定がない」が半数近くに達する。事業の将来性への不安や借入に際しての個人保証も上位に挙がった
  4. 事業承継で苦労することは「後継者育成」が約6割で最多。「従業員の理解」が約3割で第2位
  5. すでに事業承継を終えた企業で、良かった点として、「従業員の経営参加や権限委譲」「仕事の効率アップ」「従業員の士気向上」「業績の改善」が上位に
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