2014年度の賃金動向に関する企業の意識調査

賃金改善を見込む企業は46.4%と過去最高
~ 賞与で賃金改善を考える企業が増加 ~

はじめに

政府が消費税率引上げに対する経済対策とデフレ脱却に向けた政策を進めているなかで、雇用確保とともにベースアップや賞与(一時金)の引上げなど、賃金改善の動向は今後のアベノミクスの行方を大きく左右する要素として注目されている。また、経済団体では業績が回復してきた企業においてベースアップを含めた賃上げを容認する方針を示しており、労働組合側から今春闘でベアを要求する動きも出ている。賃上げによって購買力を高めることで景気の好循環を生み出し、消費税率引上げ後の反動減に対応する役割を果たすことも期待されている。
このようななか、帝国データバンクは、2014年度の賃金動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2014年1月調査とともに行った。

  • 調査期間は2014年1月21日~31日、調査対象は全国2万2,834社で、有効回答企業数は1万700社(回答率46.9%)。なお、賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施し、今回で9回目

調査結果(要旨)

  1. 2014年度の賃金改善を「ある」と見込む企業は46.4%。前年度見込みを7.1ポイント上回り、2006年1月の調査開始以降で最高の見通しとなった。また、賃金改善が「ない」企業は29.0%で前回調査を3.3ポイント下回った
  2. 賃金改善の具体的内容は、ベア34.0%、賞与(一時金)27.8%。前回調査よりいずれも増加しており、特に賞与(一時金)は6.8ポイント上昇した
  3. 賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が最多。また、「物価動向」や「同業他社の賃金動向」が大きく増加した。改善しない理由は、「自社の業績低迷」が最多となったが、7年ぶりに6割を下回った。消費税率引上げの影響は、賃金改善の有無にかかわらず4社に1社が理由として挙げた
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