2014年度の雇用動向に関する企業の意識調査

正社員採用、4年連続で改善
~ ただし、小規模企業ほど今後の雇用環境改善に厳しい見方 ~

はじめに

地方圏が主導する形で景気の上昇基調が続き雇用・所得環境に明るさが垣間見えてきたなか、2014年1月の有効求人倍率は1.04倍と3カ月連続で1倍以上となっている(厚生労働省)。また、新規学卒者の就職内定率は2013年12月1日時点で76.6%(大卒)と3年連続で上昇し、景気回復による雇用環境の改善を示している(厚生労働省、文部科学省)。しかし一方で、地域間や業界間、社員・非正社員間などの雇用動向には依然として格差がみられる。
このようななか、帝国データバンクは、2014年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2014年2月調査とともに行った。

  • 調査期間は2014年2月18日~28日、調査対象は全国2万2,862社で、有効回答企業数は1万544社(回答率46.1%)。なお、雇用に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で10回目

調査結果(要旨)

  1. 2014年度の正社員採用は「採用予定がある」が59.5%で前年比微増。4年連続で改善したものの、採用を増加させる企業は『建設』や『運輸・倉庫』『サービス』など一部の業界にとどまる。「採用予定はない」は30.6%と微減。公共事業や駆け込み需要への対応に加えて人手不足感が高まり雇用環境は改善しているものの、消費税増税後の景気に不透明感が感じられており、緩やかに改善するとみられる
  2. 非正社員採用については、「採用予定がある」が47.7%となり、4年連続で改善した。特に、「採用予定はない」は2008年度以来6年ぶりに3割台まで減少しており、非正社員の採用状況は徐々に改善している
  3. 雇用環境の改善時期は、今後3年以内に改善すると考える企業は3社に1社にとどまる。とりわけ、規模の小さい企業ほど長期的な改善を見込めない状況となっている
  4. 自社が活用に注力している人材、「若者」が3社に1社で最多。「キャリア採用」「女性」が続く
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