海外進出に関する企業の意識調査

海外進出企業のうち4割が撤退を検討
~ 今後の生産拠点で最も重視する国、「ベトナム」がトップ ~

はじめに

大企業の海外進出が進むなかで、中小企業は取引先なども含めて海外需要の取り込みを期待される一方、為替環境の変化や日本と外国との関係の変化や進出国からの撤退の困難さなど多くのリスクがある。また、政府は成長戦略の1つとして2020年までには中堅・中小企業からの輸出額を2010年比で2倍にするという目標を掲げており、国や自治体は中小企業の海外進出を積極的に支援している。
そこで、帝国データバンクは、企業の海外進出に関する見解について調査を実施した。なお、本調査は、TDB景気動向調査2014年9月調査とともに行った。

  • 調査期間は2014年9月16日~30日、調査対象は全国2万3,561社で、有効回答企業数は1万968社(回答率46.6%)

調査結果(要旨)

  1. 企業の27.0%が直接・間接のいずれかで海外に進出している。大企業ほど海外への進出割合は高く、業界別では『製造』『卸売』が突出している。直接進出している企業の具体的内容は「現地法人の設立」、「生産拠点」、「販売拠点」の順で多い
  2. 直接進出企業のうち、中国に進出している企業は65.0%に達する。中国進出で重視する点は、“生産拠点”と“販売先”が拮抗。また、政治的な関係悪化で進出しないという意見もみられた
  3. 直接進出企業のうち、約4割が撤退または撤退検討の経験がある。その際には資金回収の困難さや現地従業員の処遇の難しさに直面し、特に中国への進出企業では法制度や行政手続きを課題として挙げる割合が高くなっている
  4. 今後の海外進出先として、生産拠点は「ベトナム」、販売先は「中国」がトップ。生産拠点・販売先ともに、上位10カ国はアメリカを除きすべてアジア諸国が占めた
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