人手不足に対する企業の動向調査

企業の4割で正社員が不足
~ 「旅館・ホテル」「自動車・同部品小売」などで不足感が急増 ~

はじめに

安倍内閣の経済政策(アベノミクス)における成長戦略を進めるなかで、人手不足が大きな懸念材料となっている。また、マイナンバーへの対応に追われる情報サービスや、訪日旅行客や国内旅行の増加による飲食店、娯楽サービスで人手不足が急激に深刻化するなど、人手不足における業種の違いが顕著に表れている。有効求人倍率の上昇や失業率の低下など労働市場がひっ迫するなかでは、求職者にとっては明るい材料となる一方、企業は人件費上昇などのコストアップにつながり、今後の経済活動における足かせともなりかねない。

そこで、帝国データバンクは人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年1月調査とともに行った。

  • 調査期間は2016年1月18日~31日、調査対象は全国2万3,228社で、有効回答企業数は1万519社(回答率45.3%)

調査結果(要旨)

  1. 企業の39.5%で正社員が不足していると回答。業種別では「放送」が66.7%にのぼったほか、「情報サービス」や「医薬品・日用雑貨品小売」が6割を超えており、IT関連業界や専門知識・スキルを必要とする業種で人手不足が深刻となっている。とりわけ、「旅館・ホテル」「自動車・同部品小売」などで前回調査(20157月)より10ポイント以上増加しており、急激に人手不足感が拡大する業種もみられる。また、従業員数の多い大手企業ほど人手不足を感じる傾向があった。アベノミクスの恩恵が届きやすい大手企業において、人手が不足している状況がうかがえる
  2. 非正社員では企業の26.2%が不足していると感じており、特に「飲食店」「飲食料品小売」「旅館・ホテル」などで高い。また、人手不足を感じる企業が半数以上となる業種は51業種中9業種で前回調査(4業種)から5業種増えており、人手の不足している業種が広がりを見せている
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