2016年度の業績見通しに関する企業の意識調査

4社に1社が「増収増益」も、
個人消費や中国経済への懸念強まる
~ アベノミクスへの企業の評価は60点、1年前より3.9ポイント低下 ~

はじめに

国内景気は、公共工事の減少が地域経済を悪化させる要因となっているほか、中国経済や資源国経済の低迷による金融市場の混乱で企業や家計のマインドを萎縮させるなど、全国的に悪化している。また、人手不足による受注機会の喪失は景気拡大を抑制する懸念材料ともなっているなか、景気動向は地域や業界、規模によって業績に与える影響が異なっている。

そこで、帝国データバンクは、2016年度の業績見通しに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2016年3月17日~31日、調査対象は全国2万3,342社で、有効回答企業数は1万622社(回答率45.5%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で8回目

調査結果(要旨)

  1. 2016年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は25.9%。2015年度実績見込みからは2.0ポイント減少するものの、「減収減益」も3.7ポイントの大幅減少。2016年度業績は厳しい見方を強めながらも改善を見込む企業が多い
  2. 2016年度業績見通しの下振れ材料は「個人消費の一段の低迷」が40.7%でトップとなり、「外需(中国経済の悪化)」「所得の減少」が続いた。特に、中国経済の悪化は前回(20153月調査)から倍増しており、中国の景気低迷に危機感を強めている。他方、上振れ材料は「個人消費の回復」が38.4%でトップとなり、「公共事業の増加」「原油・素材価格の動向」が続いた
  3. 安倍政権の経済政策(アベノミクス)の成果に対する企業の評価は、100点満点中60.3点。3年余りにわたるアベノミクスについて60点以上の評価を与えているものの、1年前より3.9ポイント低下しており、厳しい目で見る企業が増加している
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