新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2021年5月)

企業の75.9%が「業績へマイナスの影響」を見込む
~ 5社に1社は従業員のワクチン接種を促す仕組みを検討 ~

はじめに

2021年5月、一部地域で新型コロナウイルスの感染者数や重症者数が高止まるなか、まん延防止等重点措置と3回目の緊急事態宣言の延長および実施区域が拡大され、引き続き制約のあるなかで経済活動が行われている。このようななか、政府からは事業や雇用継続に資する支援や国民生活を守る施策が継続的に実施されている。

そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年5月調査とともに行った。

  • 調査期間は2021年5月18日~31日、調査対象は全国2万3,724社で、有効回答企業数は1万1,242社(回答率47.4%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し今回で16回目

調査結果(要旨)

  1. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は75.9%(前月比0.5ポイント増)だった。一方で、『プラスの影響がある』は4.1%となり、前月と同水準であった
  2. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、「旅館・ホテル」が100.0%となり最も高かった。次いで、「飲食店」(94.9%)、「広告関連」(91.3%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(90.9%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(90.4%)が9割台で続いた
  3. 『プラスの影響がある』は、総合スーパーなどを含む「各種商品小売」が20.0%でトップとなった。以下、「飲食料品小売」(16.2%)、「電気通信」(14.3%)、「家具類小売」(12.5%)が上位に並ぶ
  4. 自社が実施した、もしくは実施している施策は、「政府系金融機関による特別融資の利用」が42.1%で最高となった(複数回答、以下同)。次いで、「民間金融機関への融資相談」(34.3%)、「雇用調整助成金の利用」(30.9%)が3割台で続く
  5. 今後実施を検討している施策は、勤務時間内での接種承認やシフト勤務、特別休暇付与など「従業員がワクチン接種をしやすくする工夫」が20.7%でトップ(複数回答、以下同)。次いで、「ワクチン接種に関する従業員への情報提供」(14.7%)、「従業員のワクチン接種状況の一元管理」(14.0%)が続き、ワクチン対策が今後の上位にあげられた
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