2022年冬季賞与の動向調査

冬のボーナス、企業の21.2%で前年より「増加」
~ 人流増加や政策支援などが好材料 ~

2022年は、2月のウクライナ侵攻が新型コロナショック下における経済活動にさらなる大きな影響を与えた。10月には外国為替レートが一時1ドル150円超と32年ぶりの円安水準を記録。原材料価格の高騰も重なり、食品などを含む物価高が家計・企業を直撃、実質賃金の低下が続いている。その一方で、インフレ手当の支給も増えつつある。


帝国データバンクは、2022年冬季賞与の動向について調査を実施した。


  • 調査期間は2022年11月16日~30日、調査対象は全国2万6,953社で、有効回答企業数は1万1,510社(回答率42.7%)。なお、冬季賞与の動向に関する調査は2020年、2021年に続き3回目

調査結果

  1. 冬季賞与、企業の21.2%で1人当たり平均支給額が前年より「増加」

    2022年の冬季賞与(ボーナス、一時金、寸志など含む)の従業員1人当たり平均支給額について、「賞与はあり、増加する(した)」企業は21.2%となった。特に、鉄鋼・非鉄・鉱業関連や機械製造など機械関連、情報サービスが高かった。一方で、「賞与はない」企業は13.3%だった。なかでも「繊維・繊維製品・服飾品小売」は45.8%と4割を超えているほか、「飲食店」も37.4%にのぼった。昨年賞与の出ない企業が半数を超えていた「旅館・ホテル」は、賞与を支給する企業の割合が53.4%へと高まったものの、支給しない企業(35.6%)も飲食店に次いで多く、賞与支給への対応が大きく分かれた。

  2. 【図1 冬季賞与の支給状況(1人当たり平均)】

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  3. 新型コロナショック下において、4業界で冬季賞与が「増加」する割合が2年連続で高まる

    業界別では、4業界で冬季賞与が「増加」する割合が2年連続で高まった。人流の拡大や政策支援などの恩恵を受けた。また冬季賞与が2年連続増加する企業は8.6%、3年連続は企業の2.9%となった。賞与を増やす企業からは「旅行需要が回復」(旅館)や「DX推進による特需」(ソフト受託開発)、「国内での販売量が増加しており、輸出も引き続き堅調」(清酒製造)などの意見が聞かれた。

  4. 【図2 冬季賞与が「増加」する企業の割合】

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2022年冬は企業の79.1%が、ボーナスや一時金などを含め何らかの賞与を支給する予定だ。また、新型コロナ下においても、賞与が2年・3年連続で増加する企業もある。値上げラッシュが続くなか、賞与の増加やインフレ手当などによって消費拡大につながることが望まれる。


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