時間外労働に関する企業の動向調査(2023年6月)

夏休みシーズン目前 時間外労働、旅館・ホテル業の半数以上で「増加」
~ 飲食店など、小売・サービス業を中心に顕著 ~

ポストコロナに向けて経済活動が本格化するなか、多方面で人手不足感が高まっている。帝国データバンクが月次で集計している時間外労働の状況調査では、2023年6月時点で前年同月(2022年6月)と比較して「増加」した企業の割合は19.3%だった。業種別でみると、旅館・ホテルが55.9%で最も高く、飲食店が47.1%で続いた。この2業種はコロナ禍の行動制限が緩和されると同時に急激に需要が高まり、春先には旅館・ホテルでは7割を、飲食店では5割を超えた。新規採用が進まず、人手不足を既存の従業員による時間外労働で補っている実態が浮き彫りとなった。


時間外労働の増加は、人手不足が解消できていない実態の表れでもあり、2023年の推移をみると春先の観光シーズンをピークに景況感はやや落ち着くとともに、直近では一服感がみられる。しかし、夏休みシーズンを目前に控え活況な旅行需要が期待されるなか、今後は人手不足が慢性的に続いていることを背景に、さらに時間外労働が増加する可能性がある。

時間外労働が「増加」した企業の割合(上位10業種/対前年同月比)
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旅館・ホテル/飲食店の推移(2023年1-6月)
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  • 調査期間は2023年6月19日~6月30日。調査対象は全国2万7,771社、有効回答企業数は1万1,105社(回答率40.0%)なお、時間外労働に関する調査は2002年5月より毎月実施しており、今回は2023年6月の結果をもとに取りまとめた
  • 本調査の詳細なデータは、景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している


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