「関東大震災100年」に対する企業の意識調査

関東大震災100年の節目、企業の認知度は約4割

2023年は、死者・行方不明者数が10万人を超えた国内最大の災害である「関東大震災」から100年の節目の年となる。その後も、「伊勢湾台風」や「阪神淡路大震災」、「東日本大震災」など多くの災害によって、甚大な被害が各地で発生してきた。


甚大な災害のひとつともいえる新型コロナウイルス感染症が今年5月に感染症法上の分類がインフルエンザと同等の5類に移行し、社会、経済活動等がコロナ禍前に戻りつつある。しかし、近年も毎年のように豪雨、台風などの自然災害が発生し社会生活、企業活動に大きな影響を与えている。


さらには、首都直下地震や南海トラフ地震などの大地震も発生の確率が高いと予見されている。平常時からこうした緊急事態に対する備えが、事業継続のみならず企業価値の維持・向上の観点からも重要である。


そこで、帝国データバンクは関東大震災の認知度や震災に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2023年5月調査とともに行った。


  • 調査期間は2023年5月18日~5月31日、調査対象は全国2万7,930社で、有効回答企業数は1万1,420社(回答率40.9%)


  1. 『関東大震災から100年』であることを知っている企業は42.5%

    2023年9月1日が関東大震災から100年の節目を迎えることを知っているか尋ねたところ、「100年であることを知っている」と回答した企業は42.5%だった。

    都道府県別にみると、「東京」(52.9%)や「神奈川」(52.1%)、「千葉」(51.4%)など関東の都県で割合が高く、全体を大きく上回った。


    一方で、「100年であることを知らない、分からない」企業は57.5%と半数超にのぼった。


    都道府県(認知度)
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  2. 「100年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」企業は16.5%

    震災への備えに取り組んでいるか尋ねたところ、「取り組んでいる」と回答した企業は38.0%だった。


    一方で、「100年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」企業は全体の16.5%と2割以下であった。


    「100年であることを知っている」かつ「取り組んでいる」企業を従業員数別にみると、従業員50人以下の企業では16.5%を下回ったものの、51人以上の企業では16.5%を超えており、従業員数が多くなるにつれ、その割合が高くなる傾向がみられた。


    特に、「1,000人超」の企業では、38.9%と最も高く、従業員数に比例して認知度や備えが進んでいる状況がうかがえる。


    関東大震災の認知度×震災への備えへの取り組み
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    「100年であることを知っている」かつ震災への備えに「取り組んでいる」
    ~従業員数別~
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  3. まとめ

    本調査の結果、2023年9月1日が関東大震災から「100年であることを知っている」企業は4割超となった。「東京」や「神奈川」など関東に本社を置く企業、原発事故の「福島」、平成28年熊本地震の「熊本」など過去に被災した地域では認知度が高い結果となった。


    震災への備えに「取り組んでいる」企業は3割台だった。しかし、100年であることを知ったうえで震災への備えに「取り組んでいる」企業は2割以下にとどまった。ただし、従業員数が多くなるほど、認知度や震災への備えに「取り組んでいる」割合が高くなる傾向がみられた。


    首都直下地震や南海トラフ地震など、今後の発生が予見され危機管理への重要性が高まっている。


    しかし、2023年5月に行った帝国データバンクの調査[1]によると、BCPの策定率は18.4%と2割を下回っている。


    BCPの策定や震災への備えなどは事業拡大に比べて優先順位が低くなる傾向があり、こうした取り組みはすぐには効果が見えにくい。企業価値の維持・向上のためにも、不測の事態に対して平時から備えておくことは重要であり、非常時の対処方法の策定や確認、見直しなどが必要であろう。


    [1]帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2023年)」(2023年6月26日発表)


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